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遺伝子検査は「診断」ではない|健康診断・がん検診との違い

基礎知識

遺伝子検査、健康診断、がん検診、そして医療機関で行う診断検査。いずれも「検査」と呼ばれますが、見ているものも、結果の重みもまったく違います。この違いを整理しておくことは、加入者への説明でも、事業設計でも欠かせません。

ゲノ先生ミライさんの対話

ゲノ先生のイラスト

先生役

ゲノ先生

遺伝や検査の仕組みを、根拠ベースでやさしく解説する案内役。

ミライさんのイラスト

質問役

ミライさん

読者の疑問や不安を代弁しながら、理解を深めていく相談役。

ミライさん
ゲノ先生、組合員さんから「遺伝子検査を受ければ健診はいらないの?」と聞かれたことがあって、うまく答えられなかったんです。
ゲノ先生
とても大事な質問だね。答えははっきりしていて、いらなくなることはない。理由は、そもそも見ているものが違うからなんだ。
ミライさん
見ているものが違う、というのは?
ゲノ先生
健康診断は「いまのからだの状態」を見ている。血圧、血糖、脂質、肝機能。これらは、いま現在どうなっているかを教えてくれる。がん検診は「いま、症状のない人の中から、がんの可能性がある人を拾い上げる」ためのもの。どちらも現在を見ているんだ。
ミライさん
遺伝子検査は違うんですね。
ゲノ先生
PRSが見ているのは「もともとの傾向」だよ。生まれたときからほとんど変わらない、遺伝的な素因の相対的な位置。だから、いま病気があるかどうかは一切わからない。時間軸がまったく違うんだ。
ミライさん
過去からずっと変わらない情報と、いまこの瞬間の情報、ということですか。
ゲノ先生
その理解でばっちりだよ。ここがポイント!だからPRSが低くても、いま血糖値が高ければ、それは事実として高い。逆にPRSが高くても、健診の数値が良好なら、いまは良好なんだ。どちらかがどちらかを打ち消すことはない。
ミライさん
あと「診断検査」というのもありますよね。
ゲノ先生
医療機関で、症状や検診の結果を受けて、病気があるかどうかを確定させるための検査だね。画像検査や病理検査がこれにあたる。ここは医師が行う医療行為の領域で、遺伝子検査サービスとは立場がまったく違う。
ミライさん
整理すると、4つあるんですね。
ゲノ先生
そう。健康診断が「いまの全体像」、がん検診が「無症状の人からの拾い上げ」、診断検査が「確定」、そしてPRSが「もともとの傾向」。ここに、単一遺伝子の病的バリアントを調べる遺伝学的検査が加わると5つになるけれど、これはまた別格の話だね。
ミライさん
健保としては、どう位置づけて説明すればいいでしょう?
ゲノ先生
「置き換える情報」ではなく「加わる情報」と言い切るのがいい。既存の健診や検診はこれまで通り受けていただいたうえで、それとは違う角度から自分の健康を考えるための追加の材料。この一文を、案内文にもFAQにも入れておくといいよ。
ミライさん
「代わり」ではなく「追加」。覚えやすいです。
ゲノ先生
それともうひとつ。もし加入者の方に自覚症状があるなら、遺伝子検査の結果がどうであれ、医療機関を受診していただくこと。これは必ず伝えてほしい。検査結果を待つことで受診が遅れる、というのがいちばん避けたい事態だからね。

まとめ

  • 1健診・がん検診・診断検査は「いまの状態」、PRSは「もともとの傾向」を見ており時間軸が違う
  • 2PRSの結果は既存の健診・検診を置き換えるものではなく、追加の情報として位置づける
  • 3自覚症状がある場合は、検査結果にかかわらず医療機関の受診を優先する

理解度チェック

PRSと健康診断の関係として正しいものはどれですか?

APRSが低ければ健康診断は省略できる
BPRSは「もともとの傾向」、健診は「いまの状態」を見ており、互いに置き換えられない
PRSは生涯ほとんど変わらない遺伝的素因の相対的な位置を示し、健診は現在の身体の状態を示します。見ている時間軸が異なるため、一方が他方の代わりになることはありません。
CPRSは健診の結果を予測するための検査である

よくある質問

遺伝子検査を受ければ健康診断は受けなくてよいですか?
いいえ。健康診断は現在の身体の状態を確認するもので、遺伝子検査(PRS)は生まれ持った遺伝的な傾向を示すものです。目的も時間軸も異なるため、遺伝子検査が健診やがん検診の代わりになることはありません。
遺伝子検査で病気があるかどうかはわかりますか?
わかりません。PRSは現在の病変や疾患の有無を判定するものではなく、診断にも用いられません。症状がある場合や健診で指摘を受けた場合は、医療機関を受診してください。

参考情報

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