糖尿病(性)腎臓病は、糖尿病の3大合併症のひとつで、腎臓の働きが障害され、尿にたんぱく(アルブミン)が漏れたり、尿への老廃物の排泄低下(腎機能低下)などが引き起こされます。
初期は無症状で、むくみ等の自覚症状がでるのは、かなり進行してからとされています。
また、糖尿病(性)腎臓病が進行して腎不全(尿毒症)になると、人工的に血液を浄化する「透析療法」が必要になります。
なお、糖尿病(性)腎臓病のなりやすさは、生まれつきの体質リスクによって違うとされています。
近年の研究では、「eGFR」という腎機能の低下を表す値に遺伝子が関与することが報告されており※1、特に糖尿病および糖尿病予備群で、腎臓病の体質リスクが高い方は、糖尿病(性)腎臓病になりやすい傾向がありますので、よく注意して予防しましょう。
人工透析導入患者 原疾患割合の推移(1983-2019)
2019年
糖尿病(性)腎症
41.6%
慢性糸球体腎炎
14.9%
腎硬化症
16.4%
多発性嚢胞腎
2.4%
慢性腎盂腎炎,間質性腎炎
0.6%
急速進行性糸球体腎炎
1.5%
自己免疫性疾患に伴う腎炎
0.5%
不明
13.9%
現在、以下に該当する方は、主治医または健康診断担当医の指示に従うことが大切です。
(1)推算eGFR<60
(2)尿中アルブミン30mg/gCr 以上
(3)すでに糖尿病で通院中
上記に該当しない方で、特に糖尿病(性)腎臓病の体質リスクが高かった場合は、以下の予防対策で健康維持を目指しましょう。
など
など
1つの腎臓には「ネフロン」と呼ばれる構造物が約100万個あります。
ネフロンは、「糸球体」という血管の塊と、入れ物の「ボーマン嚢」、尿の元(原尿)の通り道である「尿細管」で構成されています。
ネフロンは、体に不要な老廃物を「尿」に排泄する大事な働きをしています。
糸球体に障害が起こると、「アルブミン」というたんぱく質の小さなものが尿中に漏れ出して「尿たんぱく/尿アルブミン」が出現します。
糖尿病(性)腎臓病【DKD】には、この尿たんぱくの出現から腎機能低下に至る糖尿病腎症【DN】と、尿たんぱくが増えずに腎機能が低下するものがあります。
また、ネフロンがつぶれて少なくなると老廃物の排泄が低下し、進行すると血液中に蓄積し「腎不全/尿毒症」となります。
糖尿病または糖尿病予備群で
高血糖の持続による腎機能低下が原因
アルブミン尿あり
糖尿病腎症(DN)
アルブミン尿なしも含む
糖尿病(性)腎臓病(DKD)
糖尿病と直接関連しない腎疾患と糖尿病を合併した例も含む
糖尿病合併CKD
DN、DKD、糖尿病合併CKDは、現時点で厳密に鑑別することができないため、境界線は破線で示しています。
参考:日本腎臓学会 編 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018 東京医学社 2018, P.104-105
特に、すでにHbA1cの値が高く、糖尿病(性)腎臓病になりやすいという解析結果が出た方は、病気の正しい知識をご自身の健康管理に活かしましょう。
eGFRはestimated glomerular filtration rate 推算糸球体濾過率のことを言い、腎臓が老廃物を尿へ排泄する力を示します。
この値が小さくなるほど老廃物を排泄できなくなる、つまり腎臓機能が低下していることを意味します。
Zene360では、糖尿病(性)腎臓病の指標としてeGFR低下リスクを参照しています。
糖尿病(性)腎臓病は、進行すると治療が難しく、生活の質が著しく低下します。
健康診断は定期的に受診し、保健指導の連絡が来ている場合は、積極的に指導を受けましょう。
糖尿病(性)腎臓病の早期発見には、微量アルブミン尿の検査が有効です。
糖分の摂りすぎだけでなく、たんぱく質の摂りすぎにも注意しましょう。
また、糖尿病(性)腎臓病やその他合併症の入口となる糖尿病にも注意が必要です。
もし健康診断でHbA1Cの値が高い場合は、医師と相談して定期的に尿検査や血液検査の数値を確認して、必要な対策を実施しましょう。