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遺伝子検査の委託先セキュリティをどう評価するか

活用法

ゲノムデータは変更できない個人情報であり、委託先の管理体制は事業の前提条件です。専門部署がなくても評価できるよう、確認すべき項目と聞き方を整理します。

ゲノ先生ミライさんの対話

ゲノ先生のイラスト

先生役

ゲノ先生

遺伝や検査の仕組みを、根拠ベースでやさしく解説する案内役。

ミライさんのイラスト

質問役

ミライさん

読者の疑問や不安を代弁しながら、理解を深めていく相談役。

ミライさん
ゲノ先生、事業者さんに「セキュリティは大丈夫ですか」と聞いたら「暗号化しています」と返ってきました。これで安心していいんでしょうか。
ゲノ先生
その一言だけでは、正直まだ何もわかっていないんだ。暗号化と言っても、どの場面の話なのかで意味がまったく違うからね。
ミライさん
場面、ですか。
ゲノ先生
大きく2つある。通信しているときの暗号化と、保存しているときの暗号化。通信は暗号化していても、保存先ではそのまま置いてある、ということは普通にあり得る。だから「通信時と保存時、それぞれどうなっていますか」と分けて聞くといいよ。
ミライさん
なるほど、聞き方を変えるんですね。ほかに確認すべきことはありますか?
ゲノ先生
順番に挙げていこう。まずアプリケーション上のアクセス。誰がどの画面から、どのデータを見られるのか。次に権限管理。役職や職務に応じて権限が分かれているか、退職時に権限が確実に外れるか。
ミライさん
退職時、というのは見落としそうです。
ゲノ先生
実は事故が起きやすいところなんだ。それからログ。誰がいつ何を見たかの記録が残っているか。ここがポイント!ログは、事故を防ぐためというより、事故が起きたときに範囲を特定するために不可欠なんだよ。
ミライさん
記録がないと、何が漏れたかもわからないということですね。
ゲノ先生
その通り。次にバックアップ。どこに、どのくらいの期間置いているか。バックアップは安全のための仕組みだけれど、同時に、忘れられたデータの置き場所にもなりやすい。
ミライさん
委託先がさらに別の会社に頼んでいる、ということもありますよね。
ゲノ先生
そこが再委託の話だね。解析だけ別の事業者に出している、保管は別のクラウドを使っている、というのはよくあること。それ自体が悪いわけではないけれど、どこまで連鎖しているかを健保が把握できているかどうかが重要なんだ。
ミライさん
把握していないと、説明もできませんね。
ゲノ先生
そして残り2つ。インシデント対応と削除だよ。事故が起きたとき、誰が、いつまでに、どこへ連絡するのか。健保への一報はどのタイミングか。これを契約前に決めておく。
ミライさん
削除については、どう聞けばいいですか?
ゲノ先生
「本人が削除を希望した場合、何が、いつまでに、どこから消えますか」と聞くといい。解析結果は消えても、検体は残っていることもある。バックアップから消えるまでに時間がかかることもある。法令や契約上、消せない範囲がある場合もあるから、そこも含めて具体的に答えられる事業者は信頼できるよ。
ミライさん
専門知識がなくても、聞くべきことを知っていれば評価できそうです。
ゲノ先生
そこが大事なんだ。技術の細かい中身を理解する必要はない。通信、保存、アクセス、権限、ログ、バックアップ、委託と再委託、インシデント対応、削除。この9つは、あくまで最低限の一次評価だと考えてほしい。本格的に見るなら、第三者認証の取得状況、鍵の管理、脆弱性管理、データを国外に置いていないか、漏えい時の報告体制、復旧手順の試験まで踏み込むことになる。それでも、この9つに具体的に答えられるかどうかで、最初のふるい分けはできるよ。

まとめ

  • 1「暗号化しています」では不十分で、通信時と保存時を分けて確認する
  • 2権限管理・ログ・バックアップ・再委託の連鎖まで健保が把握できているかが重要
  • 39項目はあくまで一次評価。認証・鍵管理・脆弱性管理・国外保管・漏えい報告・復旧試験まで含めて検討する

理解度チェック

委託先のセキュリティを確認するときの聞き方として適切なものは?

A「セキュリティは万全ですか」と包括的に確認する
B通信時と保存時の保護、権限管理、ログ、再委託、削除などを項目ごとに具体的に確認する
包括的な質問には包括的な答えしか返りません。場面ごとに分けて具体的に確認することで、体制の実態が見えてきます。ただしこれは一次評価であり、認証や鍵管理、脆弱性管理などの確認も別途必要です。
C第三者認証を取得しているかどうかだけを確認する

よくある質問

遺伝子検査のデータ削除はどこまで行われますか?
事業者によって範囲と期間が異なります。解析結果、原データ、検体、バックアップのそれぞれについて、何がいつまでに削除されるのかを契約前に具体的に確認することが重要です。なお、法令や契約上の理由で直ちに削除できない範囲がある場合もあるため、その条件も含めて確認してください。
委託先が別の事業者に再委託していても問題ありませんか?
再委託自体が直ちに問題となるわけではありませんが、どこまで連鎖しているか、各段階でどのような安全管理措置が講じられているかを委託元が把握し、説明できる状態にしておく必要があります。

参考情報

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