活用法
ゲノム解析技術の進歩により、予防医療は大きな転換期を迎えています。一人ひとりのゲノム情報に基づいた「プレシジョン・メディシン(精密医療)」の考え方が広がり、病気になる前に対策する時代が到来しつつあります。予防医療とゲノム解析の未来像を展望します。
ゲノ先生とミライさんの対話

先生役
ゲノ先生
遺伝や検査の仕組みを、根拠ベースでやさしく解説する案内役。

質問役
ミライさん
読者の疑問や不安を代弁しながら、理解を深めていく相談役。
ミライさん
ゲノ先生、ゲノム解析って今後どんなふうに発展していくんですか?
ゲノ先生
いい質問だね!大きなキーワードは「プレシジョン・メディシン(精密医療)」。一人ひとりのゲノム情報に基づいて、最適な予防法や治療法を選ぶという考え方だよ。
ミライさん
今の医療と何が違うんですか?
ゲノ先生
今の医療は「平均的な人」を基準にしている部分がある。たとえば薬の用量も「成人は1錠」って一律だよね。でも実は、同じ薬でも遺伝子によって効きやすい人、効きにくい人、副作用が出やすい人がいるんだ。
ミライさん
えっ、そうなんですか?同じ薬でも人によって違うんですね。
ゲノ先生
将来的には、ゲノム情報をもとに「あなたにはこの薬が最適で、この用量がベスト」と判断できるようになる。これを「ファーマコゲノミクス(薬理ゲノミクス)」と呼ぶんだ。
ミライさん
予防の分野ではどう変わりますか?
ゲノ先生
ここがポイント!予防の分野では、生まれたときにゲノム解析をして、将来かかりやすい病気を予測し、人生の早い段階から予防プランを立てるという世界が現実味を帯びてきている。
ミライさん
生まれたときにゲノム解析!?それはすごい。
ゲノ先生
実際にイギリスでは、新生児10万人を対象にしたゲノム解析プロジェクトが進行しているよ。日本でも「全ゲノム解析等実行計画」が進んでいて、がんや難病の患者さんのゲノム解析が国のプロジェクトとして行われているんだ。
ミライさん
日本でもそんなプロジェクトがあるんですね。でも、全員がゲノム解析を受ける時代って、まだ先ですよね?
ゲノ先生
解析にかかる費用は年々下がっていて、いまでは一人分の全ゲノム解析が十数万円規模まで来ている。ちなみに「ヒトゲノム計画は約30億ドルかかった」という話をよく聞くけれど、あれは技術開発や地図作製、倫理的課題の検討まで含めた計画全体の費用で、いまの一人分の解析費用と単純に比べられるものではないんだ。それでも、費用が桁違いに下がってきたのは確かだよ。今はPRSを使った遺伝子検査が、その未来への橋渡しになっている。
ミライさん
比べ方に気をつける必要はあるけれど、技術の進歩はすごいですね。今のうちに遺伝子検査を始めておくことが、未来の予防医療につながるんですね。
まとめ
- 1プレシジョン・メディシンにより一人ひとりに最適な予防・治療の選択が可能になる
- 2ゲノム解析のコストは急速に下がっている(ヒトゲノム計画の総費用と個人の解析費用は別物)
- 3PRS遺伝子検査は将来の全ゲノム予防医療への橋渡しになっている
よくある質問
予防医療にゲノム解析はどう役立ちますか?
ゲノム情報に基づき、一人ひとりのリスクに合った予防プランを立てることができます。将来かかりやすい病気を事前に把握し、生活習慣の改善や早期検診の実施につなげることで、発症予防や早期発見が可能になります。
ゲノム解析の費用はどのくらい下がっていますか?
一人分の全ゲノム解析にかかる費用は大きく下がり、現在は十数万円規模とされています。なお「ヒトゲノム計画は約30億ドル」という数字は、技術開発や地図作製、倫理的課題の検討まで含む計画全体の費用であり、現在の個人向け解析費用と直接比較できるものではありません。
参考情報
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